頭痛に効く飲み物。頭痛のタイプごとに改善する成分や温度は違う

頭痛が出始めた時、鎮痛剤で対処するのも早いですが、痛みを和らげる飲み物があれば手軽で最高ですよね。

でも、頭痛には偏頭痛や緊張型頭痛など、いくつかの種類があります。原因やメカニズムがそれぞれ異なるため、痛みを対処する飲み物は頭痛の種類によって異なるのです。

この記事では頭痛を改善させる飲み物を、頭痛の種類別に医学的根拠をもって詳しくご紹介します。

【偏頭痛】カフェインが入った冷たい飲み物を選ぼう

偏頭痛は、心身の緊張が持続して肩が凝ったり、筋肉の収縮により血流が悪くなったりした後、その緊張から解放されてリラックス状態になると起こりやすくなります。

緊張がゆるむと同時に脳にある血管拡張が起こることで、神経を刺激して頭痛が引き起こされるのです。

つまり、偏頭痛は痛む部位の血管収縮を促すことによって痛みが軽減します。血管拡張を促す飲み物としては、カフェイン入りの飲み物が良いでしょう。

さらに血管収縮を促したいので、冷やして飲むの方がより効果が期待できるでしょう。

カフェイン飲料の代表、コーヒーが偏頭痛に効く理由

カフェインは鎮痛剤にも含まれているもので、交感神経を刺激する作用があります。この作用によって脳血管が収縮され、偏頭痛が軽減します。

コーヒーに含まれているカフェインも、血管を収縮させる効果があります。また、身体をリラックスさせたり、脳を活性化し、疲労回復させたりする作用もあります。

そのため、偏頭痛の症状が出始めたら、痛みが軽いうちにコーヒーを飲むのが効果的です。コーヒーが苦手だという方は、ココア、紅茶、緑茶、コーラなどにもカフェインが含まれているので、これらの飲み物を組み合わせるのが良いでしょう。

カフェインの摂りすぎに要注意!

適量のカフェインは、頭痛を軽減させるだけでなく、疲労をやわらげたり、ねむけざましになったりと良い効果をもたらします。しかし普段から、カフェインを摂りすぎてはいけません。

大量に摂取することでカフェインの中毒状態になり、カフェインの効果が切れると再び頭痛を繰り返してしまうことがあります。

また交感神経を過度に刺激することによって、胃液が過剰に分泌されて胃痛が出現したり、鉄分やミネラルの吸収を妨げたりすることで、身体の栄養状態にも影響が出てしまいます。

ここで、飲み物のカフェイン含有量を比べてみましょう。カフェインの過剰摂取における頭痛の再発については、1日の摂取量が200mgを超えるとリスクが高まると言われています。

<カフェインを含む主な飲み物>

飲み物(量) カフェイン含有量
ココア(200ml) 300mg
コーヒー(200ml) 120mg
紅茶(200ml) 60mg
烏龍茶(200ml) 40mg
ほうじ茶(200ml) 40mg
緑茶 (200ml) 40mg
コーラ(200ml) 20mg

実はコーヒーよりもココアの方がカフェインの含有量が多いのですが、マグカップ1杯飲めば充分にスッキリしそうですし、甘みのある飲み物なので、毎日何杯も飲む人は少ないでしょう。

一方、最近では当然のようにカフェやコンビニで美味しい淹れたてが飲めるコーヒー。自宅でも手軽に使えるコーヒーメーカーは流行っていますし、スティックタイプでも様々なフレーバーのものがあります。

そのためココアと違って種類豊富なコーヒーの方がたくさん飲んでしまいがちです。1日に何杯も飲んでいると、あっという間に身体のカフェイン許容量を超えていきます。

また紅茶や烏龍茶、コーラは、ココア・コーヒーと比較するとカフェイン含有量は少なめです。しかし店頭によくあるペットボトルは500ml入りのものが多く、手軽に持ち歩きながら飲むことができます。

これらの飲み物は自動販売機などでもすぐに買えるので、喉が渇いている時など一気に飲んでいると、許容量を超えてしまいます。手軽に偏頭痛を解消するカフェイン入りの飲み物ですが、くれぐれも過剰摂取には注意しましょう。

【偏頭痛】カフェイン入り以外の飲み物

それではカフェイン入りの飲み物以外で、偏頭痛を軽減させる飲み物には、どんなものがあるのでしょうか?

実は牛乳には優れた効果あり!

牛乳にはカフェインは含まれていませんが、トリプトファンという必須アミノ酸が含まれています。トリプトファンには、神経機能を整え、精神安定や鎮痛作用があり、偏頭痛に効果があると言われています。

ストレスを溜めやすく、そのストレスから解放された時に頭痛が出やすいという人には向いているので、一度ためしてみて欲しいです。

カラダにやさしいリンゴジュースも効果的

リンゴには血液浄化作用や整腸作用があり、この働きによって偏頭痛を改善させると言われています。お店で買う時は果汁100%のリンゴジュースを選びましょう。

また皮ごとリンゴをすりおろして手作りジュースを作れば、美容健康にも役立ちます。リンゴの皮には抗酸化作用のあるポリフェノールや、整腸作用を促す食物繊維・ペクチンも豊富に含まれているからです。

水分不足による偏頭痛には、こまめな水分補給を

偏頭痛持ちの人は、水分不足でも頭痛を起こしやすいと言われています。脱水気味になることで血流が悪くなり、体内の栄養や酸素が滞っていきます。

そして、今度は血液から排出されるはずの老廃物が溜まり、頭痛を引き起こすことがあります。そのような時はこまめに水分補給を。常温のミネラルウォーターや経口補水液、スポーツドリンクなどがオススメです。

熱中症の症状にも頭痛があります。運動する時や夏場などで汗をかきやすい時には、喉が渇いていなくても少しずつ水分補給を行いましょう。

熱中症の頭痛は一般的な頭痛と見分けることが大事!正しい対処法とは

【緊張型頭痛】カフェインはダメ!温まる飲み物を選ぼう

緊張型頭痛の場合は、身体が冷えて首や肩にかけて筋肉が緊張したり、血管収縮したりすることで痛みが出ます。

そのため、血管を収縮させるカフェイン入りの飲み物は、偏頭痛の人には適していますが、緊張型頭痛の人が飲んでしまうと頭痛がひどくなるばかりで逆効果です。

緊張型頭痛の人に効く飲み物には、どのようなものがあるのでしょうか?

緊張型頭痛にピッタリ、しょうが湯

ズバリ血管の拡張を促して身体を芯から温めるのが、頭痛を軽減させる最も良い方法です。しょうがは胃腸から身体全体を温めていきますので、とても効果的です。

しょうが湯やしょうが入りドリンク、チューブタイプのしょうがを温かい飲み物に入れて飲むのが良いでしょう。

ハーブティーのリラックス効果で頭痛予防

緊張型頭痛になりやすい人は、ストレスによって緊張状態が持続している時に起こりやすいと言われます。緊張から解放されてリラックスできたり、ストレスがなくなったりすると痛みが和らいできます。

そのため、リラックス効果のあるハーブティーを飲むのは、良い方法のひとつといえます。ノンカフェインなのでコーヒーのような依存性もありません。しかし中には発汗・利尿作用のあるハーブティーもあるので注意しましょう。

ハーブを扱う専門店も増えているので店員さんと相談しながら、好みのフレーバーを探してみてくださいね。

緊張型頭痛になりやすい人の特徴としては、根が真面目で責任感が強く、色々と抱え込んでしまう人や、手抜きができない人がなりやすいと言われています。飲み物を使って、ひと息つくことでリラックスする時間を作るように心がけたいですね。

女性にうれしい! 月経に伴う頭痛には豆乳を飲もう

月経周期において、排卵期から月経が始まるまでの間は、女性ホルモンのひとつ・エストロゲンの血中濃度が減少します。女性の場合は、それが原因で頭痛を引き起こす人が多くいます。

そこでオススメなのが豆乳。牛乳にも含まれているトリプトファンの効果が得られるだけでなく、大豆イソフラボンも大きな効果をもたらします。

大豆イソフラボンはエストロゲンと同様の効果を発揮するので、生理前の頭痛も含めた不快症状を軽減させます。普段から飲む習慣をつけておくと、頭痛予防にもなります。

症状に合った飲み物を選びましょう

他にも、お腹が空いてきてエネルギー不足になると、頭痛になってしまうことはありませんか? 脳へのエネルギー不足によっても頭痛を引き起こす原因となりますが、このような時には糖分の入った甘い飲み物が効果的です。

脳へのエネルギー補給をすることにより、頭痛や疲労を解消させ、集中力を高めることができます。また甘いものが体内に取り込まれることでリラックス効果も得られます。

こんなふうに、まずは自分の頭痛の種類を知った上で、頭痛の症状を軽減させる飲み物を選びましょう。また、どんな飲み物も適量を飲むのがイチバンです。これだけは忘れないでくださいね。

薬ではありませんので「効果が得られればラッキー」くらいの気楽な気持ちで飲みましょう。症状に適した好みの飲み物を美味しく飲んで、頭痛予防に役立ててみてくださいね。

この記事をシェア

合わせて読みたい

ページ先頭に戻る